ウチキフィルム | ウェディングムービー・結婚式エンドロール撮影

Story about you

結婚式の『持ち込み』解説

結婚式の持ち込み解説

10月13日。
先週までの夏のような気候から、一転して肌寒い一日。
秋を迎えて、先週末は恵比寿のウェスティンホテルでエンドロールを制作してきました。
ホテルの持ち込み条件で映像が公開出来ないのですが、とにかく素敵な結婚式で、「やっとこの季節が来たなぁ」と感じています。

ちなみに『持ち込めるけど、公開NG』は結構あります。特に外資系のホテルに多い気がします。
アンダーズ(虎ノ門)とか、コンラッドとかで持ち込みで撮影をした時もそんな感じでした。
そんなわけで、今回は『持ち込み』について解説します。

持ち込みとは?

結婚式場が用意しているサービスと同じサービスを外部の業者に発注することを『持ち込み』または『外注』と言います。
映像の場合なら、会場のビデオグラファーでなく、インスタで見つけたビデオグラファーに撮影をお願いするという場合が『持ち込み』にあたります。
『持ち込み』には会場の許可が必要になります。
運営している営利施設の中で、第3者が営業行為をすることを認めるというのは(顧客の希望とはいえ)中々難しいことだと思います。

式場で提携している撮影会社にとっては、独占的に販売できるからこそ、契約しているメリットがあります。
競争がないからこそ、機材などへの投資も押さえて、お客様への販売価格も抑えられる。
その中で人材をしっかりと教育できて、会社として持続的なサイクルを生み出して行ける。

会場側からしても、提携会社からキックバックを得ることで料理や設備費などのマストで掛かる費用を抑えて、新規のお客様にパッと見でリーズナブルな提案ができる。

独占契約が破られてしまうと、もろもろ破綻してきます。
だから会場が提携会社を守ることにはメリットがあります。
そういった背景もあって『持ち込み』には、様々な条件が提示されることがあります。

持ち込みの条件

①持ち込み料でOK
『持ち込み』を認める代わりにお金を払うというものです。
業者からのキックバックの代わりを新郎新婦に求めるというスタイル。
価格としては¥30,000~¥100,000という感じでしょうか?
会場によってかなり開きがあります。
一業者につき設定されている場合もあれば、一人につき設定されている場合もあります。

②制限付きOK
撮影できるシーンに制限を受けるときもあります。
お仕度後のメイクシーンNG、ロケーション撮影NG、挙式NGなどなどあります。
挙式は撮影できるけど、席から立つのはNGという場合もあります。
ちなみに持ち込み料+制限という合わせ技を繰り出してくる会場も多いです。

③ゲストとしての撮影ならOK
『業者に営業されるのは困るけど、ご友人なら仕方ないよね』という提携業者に気を使ってるパターンです。
ゲストなので、お料理も出たり、席を作るための費用が発生します。(引き出物はお渡し済みということにしてスルーできます。)
こちらも制限が課されることも多いです。
ただ撮影に関していえば、建前上ゲストなのでかなり丁重に扱ってくれるので、悪い気はしないです(笑)

だいたいこれくらいの感じでしょうか?
もちろん、そもそも一切NGという会場も圧倒的に多いです。
時々、撮影時に会場から邪魔をされたり、嫌がらせを受けたりとかの心配をされることもありますが、そういうのはいまだかつて一度もないです。
連絡が伝わってないとかは多々ありますが、それは提携会社で働いてても多々あるので変わらず笑
ただただ決まった条件があって、その中で精一杯撮るというだけです。

交渉が大事!

持ち込みに関していえば、交渉をしてみるというのは何事においても大事です。
『持ち込み』について一番強く交渉できるのは、会場と契約する前のタイミングです。
むしろこの時に条件が変わらなければ、その後は難しいと言えると思います。

とはいえ、契約の前段階で『持ち込み』を検討しているということはあまり多くないと思います。
持ち込みを検討し始めるのは、多くの場合ある程度準備もすすんで、会場側のサービスの質も分かって、見積もりも上がってきてというところだと思います。
その時でも、やはり交渉はした方が良いです。
担当プランナーさんの裁量も関係してくるところですが、好転することもあります。

実際に今年の7月には新婦の粘り強い交渉によって、持ち込みNGの会場でごくごく普通に撮影することができました。

もちろんそんな風に100%の要求は通らなくても、撮影制限がゆるくなったりすることはあります。
持ち込みはNGだけど、提携業者が優遇してくれることだってあるかもしれません。
謎の2カメ対応とか、提携会社のエース社員が対応してくれたり。

交渉すると、変な扱いを受けるんじゃないか?と思っているカップルもいます。
でも実際は逆です。
そのことによって、自分の思っているこだわりが担当者に伝わるし、それは現場のスタッフにもおりてくる。
結果的に結婚式に関わるスタッフの意識も高くなる。
「好かれたい」という気持ちもあるかもしれませんが、多分ひとつも交渉してこないカップルのことはプランナーさんもあんまり記憶に残らないんじゃないかなと思います。
最後にプランナーさんに「ありがとう」って心から言える結婚式を作るが大事で、プランナーさんが求めているのもそれだと思います。

持ち込み自由の会場もある

最後に少ないですが、『持ち込み自由』という会場もあります。
理由としては、それが顧客の満足につながる、ということがあると思います。
『持ち込み』でお客様ともめるくらいなら全てOKしてしまった方が売り上げは減るけど、コストも減る。
提携会社もあらかじめ『持ち込みOK』の会場と分かって契約するなら、それなりの会場へのスタンスで対応するので、それはそれで成立したりもする。
そして、写真だったり、美容だったり、特にクレームになりやすい部分をお客様と持ち込み業者に任せることで、リスクも減る。
かならずしも『お客様のため』だけではなく、ちゃんとメリットがあるようになっています。
ご要望の多いお客様にはなるべく持ち込んでもらえれば、会場も楽ができる。
そういう意味ではウェディング業界特有の『緊張感』にとらわれずに済む。
実際、持ち込み自由な会場は良い意味でも悪い意味でも、『緩い』ところが多いです。
それが合う、合わないもあると思いますので、メリットデメリットを自分で判断する必要があると思います。
(もちろんアンダーズくらいのラグジュアリーホテルだと、全然ゆるくないです。念のため)

以上、簡単に『持ち込み』について書いてみました。
この問題は『結婚式の在り方そのものをどう捉えるか?』によって思うことが変わります。
僕自身がどう考えるか?についてはまたの機会とさせていただきます。

来週はそんな『持ち込み』とか、『制限』とかとは無縁の『2人の結婚式』第2弾を撮影しに和歌山出張へ行ってきます。
そんなわけでブログはお休みとなります。
次回の更新は27日となります。
ぜひお楽しみにお待ちください!

ウチキフィルム 打木健司