ウチキフィルム | ウェディングムービー・結婚式エンドロール撮影

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ウチキフィルム10周年

ウチキフィルム10周年

本日でウチキフィルムは10周年を迎えました。
今まで出会ってきたカップルに見つけてもらって、結婚式を撮らせてもらって、なんとかここまで来れたことに心から感謝しています。
10年だし、なんとなく仕事の振り返りをそろそろしようかと思っていましたが、なんだか自慢みたいになっても嫌なので、もう少し個人的で本質的な話を、10年の節目だからこそ書いてみようと思います。

この10年の自分にとって3つ大切なことがありました。

10年前に結婚式を挙げたこと。
3年前に娘が生まれたこと。
今年2月に母を見送ったこと。

仕事での大切に気付きのあった撮影はもちろんあるんですが、数えきれないし、実際には作品は10年変わってないし笑
変わらない理由というか、僕自身の背骨となる、なっていく部分の話が出来ればと思います

【もくじ】
・結婚式を挙げた時の話
・娘が生まれた時の話
・母を見送った時の話

結婚式を挙げた時の話

それまでアルバイトからもぐりこんだ撮影業者で8年くらい結婚式の撮影をしていました。
仕事を始めた当初、自分とは関係ない世界過ぎて、ほんとに「仕事」って感じでした。
申し訳ないけれど「ミスしなければいいや」くらいの仕事でした。
ちょっと慣れてくると、思い通りに撮影できたり、こうしたら良いんじゃない?みたいな感じでやって、それはそれで評価されました。
ただ、打ち合わせもない提携業者のビデオグラファーだったので、それはなんとなくのイメージをよく知らないカップルに押し付けていたようなものだと思いました。

もちろん年に100件以上の結婚式を撮っていて、記録編集ではその5倍くらい結婚式というものを見てきました。
だから、ある程度は理解できているつもりでいたけど、それでも足りないと思っていました。

その欠乏感みたいなものは、実際に自分が目黒区役所で婚姻届を出してクラスカで結婚式を挙げるという経験を通して、僕の中で足りないと思っていたものが埋められた気がしました。

結婚式当日に1番に感じたことは、自分を肯定するということの大切さ。
いままで人生で関わってきた人たちが集い、祝福が背を押してくれる。
それは初めての感覚で、結婚式の特別を分かった気がしました。

・娘が生まれた時の話

娘が生まれたのは2021年のコロナ禍の真っ最中。
娘と会えたのは生後5日の退院の時でした。
妻が病院の受付で会計をしにいく時に、初めて娘を抱っこしました。
小さすぎて、壊れてしまいそうで、抱いているのが怖いくらいでした。
それでもたまらなく幸せでした。
ただ幸せで泣きそうになった。
あぁ、こんな気持ちなんだなと思いました。
それが親の気持ちの最初なんだと思いました。

それからは仕事の仕方も変わりました。
全ての時間を仕事を使えた頃に比べて、全然働けない笑
まず時間大切、本当に超大切。
それは自分の時間の話だけでなく、自分と対する誰かの時間も同じ、超大事な時間っていうのは認識として深まりました。

保育園がない時は娘と過ごす休日。
休日というにはめっちゃハードで腰にダメージを入れてくる笑
ハッピーではあるが、クタクタでハッピーの味がしない笑
親の休日とはそういうことでした。
そしてとにかく心配、急に40℃出すし、階段の下り方一つでも、むちゃくちゃな挑戦も繰り返す。
そしてとにかく可愛い笑
毎日毎日娘と一緒に生きることを学び直してる、そんな感じ。
日々の小さな出来事を小さな体と頭で全力で受け止め考え、笑ったり泣いたり怖がったりニヤニヤしたり精一杯生きている、その全てに僕は人の「美しさ」を学んでいる

結婚式の時にご両親が子供を思う気持ち、娘が生まれる前は推測でしかなかったものがいまは少しだけわかる。
時代が違うし、親の在り方も変わってる。
それでも最初に娘を抱っこした時のあの気持ちはそんなに変わらないだろうと思う。

こんな幸福を人は人に対して、与えることができるし、人から受け取ることが出来る。
それがあらゆる人の人生のスタート。

・母を見送った時の話

今年の2月末に実家の飲食店が閉店しました。
その2週間前に母の体調が急変して、その後に意識が戻ることなく、閉店を予定していたまさにその日に息を引き取りました。
本人は父よりずっと長く生きるつもりでいたので、もろもろの整理が大変でした。
それでもその日々を通して、やっと父と家族になれたような気もします。

母と最後に会った時、「これからお店しなくて良いからいつでも孫のお世話にいける」と笑っていたことを思い出すとまだまだ悲しいけれどなんとかやってます。
もう僕自身はおじさんで十分に大人なんだけど、やっと本当の意味で大人になれたかもしれません。

人生は限られた時間。
頭ではわかってはいたけど、胸元に突きつけられたような、ケツを叩かれたような。
母が最期に教えてくれたのかなと思います。
限られた時間を誰とどう過ごすか?
覚悟を持って今を生きる。
それしか出来ない。

当たり前だけど、みんな同じで、全ての人の人生は限られた時間。
その時間を精一杯生きている。
その姿は始まりから美しい。

「すべての人生は美しい」
僕が10年前ウチキフィルムを始めた時から掲げているコンセプトの一つ。
10年ずっと、ホームページに表示され続けてる。

10年が経ち、僕も僕の人生を生きた。
僕の仕事はこれからも何も変わらない。
出会うカップルの人生の中にある「美しさ」を肯定すること。
より深い覚悟をもって、11年目に入ります。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

ウチキフィルム 打木健司

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