2024年8月の初旬の話。
お世話になっているプランナーさんからのご相談で、余命宣告を受けているお父様の病床で結婚式を撮ってきました。
そもそもの連絡を受けたのも直前。
元々はお父様も車いすで移動出来て、会場にも来られるという状況でした。
そこでお父様のために、お気に入りのレストランで挙式・お食事会をと準備していました。
お父様の意思は「家族だけの会だけど、控えめにせずに、出来ることはしてほしい」ということでした。
ところが容態が急変。
回復の見込みも立たずに、予定していた日が近づいてくる。
とにかく家族のために映像も残しておこうということで、ご依頼を頂きました。
普段は2カ月での仕上げなのですが、今回は即納に近い形で仕上げました。
どういう状況になるのであれ、すぐに手元に映像があった方が絶対良いと思ったので、大変申し訳ないのですが色々すっ飛ばして編集作業に入りました。
そんなわけでまずは出来上がりの映像をご覧ください。
【もくじ】
・たった10分間の撮影
・久々のエガクウェディング
・準備は久右衛門邸さん
たった10分間の撮影
当日の少し前にzoomでプランナーさん、フォトグラファーさんと新婦とお話する時間がありました。
その時点では新郎のお父様の容態やお家の状況も具体的に見えてなかったので、スタッフ同士でいくつかの想定して打ち合わせをしました。
お家、病床での撮影出来そうということでした。
「それなら記念写真よりもお父様の本来の希望をなるべく叶えてあげる時間にしませんか?」とチームで提案しました。
自宅での時間を記念写真ではなく、お父様に実際の結婚式に近いことを見せてあげることになりました。
もちろんお父様に負担が掛かるので、なるべく短時間で。
2人の着付けの仕上げをしてる間に固定カメラやマイクを仕込んで、始まったら、集中を最大限にしてドキュメンタリー撮影。
この状況をどうしたら伝わりやすく、かつその場にある想いをそのままに描けるのか?
それだけを考えて撮る。
生の光と死の影がまさに目の前にある。
究極の状況に向かい合う
やり直しはない。
結婚式はいつもそう。
その中でも今回は格別というか、別格。
緊張もしたし、心が震える感覚がありました。
お父様の想いと、それを叶えようとする2人と家族の想い。
どんな状況でも人は希望を見る。
そこには神聖な祈りが込められている。
そう思った。
その瞬間を映像で残せるのは僕しかいない。
僕自身が何が出来る?それがたった10分で全てでる。
そんなことって普通はないし、もう二度とないと思う。
普通の結婚式であれば6時間とか、その間で力の入れるところを選びながら集中する。
今回はそれはない。
10分、以上!
ひとつのミスも出来ない。
そんな撮影でした。
とても大きな経験になりました。
久々のエガクウェディング
今回のチームは2021年からエガクウェディングというブランド名で一緒に活動してます。
プランナーのHygge Planning笹川りえさん
ヒュッゲプランニング
フォトグラファーの佐藤健介さん
オレンジウッドピクチャー
当時コロナ禍でのいわゆる結婚式が出来ない、集うことの難しい、そんな状況に合わせたプランナーとフォトグラファー、ビデオグラファーを連れて、慣習に囚われず好きな場所での自由な結婚式を提案してきました。
今回、久しぶりに一緒に出来ました。
僕たちらしいオリジナリティのある結婚式だったと思います。
少し懐かしい映像をいくつか貼っておきます。
2022年の静岡、花嫁のご実家の民宿でのお仕度
2021年の和歌山、家族だけでの結婚式
2021年の北海道・美瑛、キャンピングカーで巡る思い出の場所
準備は久右衛門邸さん
今回の映像には全然出てこないのですが、元々の挙式・ご披露宴の会場となるはずだった場所が久右衛門邸さん。
横浜市の戸塚にある古民家レストランです。
お2人の和装のお支度や、このご実家での結婚式の後にお父様の「なるべくそのまま形で」というご希望に沿う形でお2人と家族のお食事会の場になったのもそのまま久右衛門邸さんで行われました。
敷地内にチャペルもあって、天気や気候を気にせずに結婚式を挙げられる古民家レストランです。
10月から本格的にウェディングを再始動するそうで、今回もホスピタリティ溢れる対応していただきました。
横浜で良い感じの古民家でアットホームなレストランウェディングを考えているお2人やフリープランナーさんにおすすめです。
窓口となっているのがHygge Weddingの笹川りえさんなので、ぜひお問い合わせしてみてください。
(もちろんシンプルに自由で中身のある結婚式をお考えの方も、りえさんにお問い合わせしてみてください!)
今回はいつもの「持ち込み撮影」とはかなり違うので、参考にならないかもしれません。
それでも結婚式の持つ力というか、こんなことも出来るんですってことを映像を通してお伝えできればと思います。
たくさんの現場を見て、経験を積んだプロだから力になれることがあります。
フォトウェディングや家族婚から規模の大きなウェディングでも、どんなことでもまずはご相談ください。
お2人らしさやお2人の本質に向き合って、誠意をもってお答えしていければと考えております。
ウチキフィルム 打木健司