いよいよ秋シーズン到来。
これから結婚式を控える2人の中には挙式前にファミリーミートの演出をしようと企画している方も多いと思います。
どんな演出かといえば、『挙式前にお支度が終わった新郎新婦がご家族(主にご両親)と対面するセレモニー』です。
想像するだけで感動!ですね。
特にご家族への想いが強い2人だったら、ぜひ取り入れたいと考える演出だと思います。
今回はたくさんの結婚式を実際に撮影しているビデオグラファーの目線で『ファミリーミート』を素敵な時間にするポイントを解説していきます。
【もくじ】
・ポイントは2つ
・ありがちな展開とその背景
・ご両親をちゃんとステージに立たせてあげる
・伝えたい言葉を決めておく
ポイントは2つ
ファミリーミートはコロナ禍くらいから流行りだした、比較的最近の流行といえます。
その前からもありましたが、あまりメジャーなイベントではありませんでした。
それがコロナ禍で家族婚が多かったことと、会場としてもオペレーションに余裕があったので時間が作りやすかったということで、一気に定番化していきました。
挙式時の新郎のジャケットセレモニーと同様に、家族への感謝を伝えるイベントは近年定番化しやすい傾向がウェディングシーン全体にあります。
素敵な時間となるポイントは2つあると思います。
①ご両親をちゃんとステージに立たせてあげる
②伝えたい言葉を決めておく
詳しく解説する前に、まずありがちな展開を書いてみます。
ありがちな展開とその背景
実際どんなことになるか?
多いのはまず対面して「おぉー」となる。
↓
挨拶して、すこし衣装の感想を話になる。
↓
お天気の話や会場までどうやって来たか?の話
↓
最終的にお車代などの段取りの話
リアルはだいたいこんな展開。
感動して泣いちゃうということも、もちろんあります。
でも、なんだか「どうして良いかわからない」といった親御さんも多い印象です。
結果、想いを伝えあう場にはならないこともある。
徐々にあーそういうことだったの?みたいなじわじわした感じの反応もあります。
そこにはいくつかの背景があります。
背景その①
『親御さんはファミリーミートを知らない』
ファミリーミートには、昔ながらの花嫁と家族の挨拶みたいなイメージがあります。
だから当然、『ご両親世代も知っている、あるいは経験的にそういうものだとすぐわかる』と思うかもしれませんが、残念ながら知りませんし、すぐにはわからないのが普通だと思います。
あくまで、ここ数年に定番になりつつある、かなり新しいイベントなんです。
おそらくですが、ご両親世代の結婚式での親との対面は親族紹介前にみんな揃った親族控室にそろーっと新郎新婦が来て、ちょっと写真撮るくらいの対面の仕方をしてます。
そのシーンにドラマチックなイメージを持ってる可能性は低い。
だから、感動するよりもまず状況を理解するということに意識が行きがちで、すぐにはエモーショナルな反応が起きにくい。
(もちろん娘さん大好きな花嫁のパパの場合はすぐに号泣することあります笑)
背景その②
『結婚式当日のご両親は忙しい』
これは昔からですが結婚式当日のご両親の役回りが多いという現実があります。
・お車代
・お酌に回るの順番
・親族からの道順や着付けの問い合わせ対応
役回りとして確認したいことはたくさんあるんです。
そもそも結婚式を新郎新婦の父親、母親として迎えることが初めてということも多いです。
昔に比べて結婚式自体が減っているので、結婚式に来ること自体かなり久しぶりというケースもあるでしょう。
そんな状況に置かれて、急によく知らないイベントが始まったら、感情が付いて行かないということもあると思います。
背景その③
『演出家の不在』
ファミリーミートはさきほど書いたようにあくまで最近のブーム。
プランナーさんはもちろんご要望に応えて、時間や場所を決める。
けれども、その中身にまでは介入しないことが多い。
感情をつくるのは新郎新婦やご両親たち自身に任されている。
それは元々プランナーさんには現場を演出する仕事という認識がないからです。
どの会場も挙式なら司式の業者、披露宴なら司会者と専門の業者がいます。
従来はそれだけで問題はなかった。
式の前に盛り上げが必要なシーンはなかったから。
だからプランナーは現場で演出なんかしないし、そもそも別件の打ち合わせを入れていて、現場には挨拶程度しか顔を出さないような仕組みが出来ている。
ところが近年、SNSなどで猛烈に結婚式が進化しています。
ファーストミートにファミリーミート、式前も演出家が入った方が絶対に良いというシーンが徐々に増えてきた。
ファーストミートはまだ2人が準備して、2人がやりたいことだから誰も介入しなくても盛り上がることは出来る。
ファミリーミートは違います。
2人が準備をしているけど、ご家族はよく知らない。
そんなイベントだから、誰かが介入して演出した方がよさそう。
でも式が始まる前だと誰がそのシーンの感情を演出するのか?
「決まってない」が本当のところかなと思います。
担当プランナーが1日、しっかりと2人についてくれる会場なら、やっぱりプランナーさんが適任でしょう。
もしそういう会場じゃなければ誰か?
正直わかりません。
フォトグラファーはシャッターのタイミングをコントロールしたいから、その場の仕切りをすることはあります。
でも、それはあくまでタイミングのコントロール。
気持ちまで作ってくれているわけじゃない。
以上のような背景があって、最初に想定していた「感動の場面」とちょっと違う雰囲気になる場合があります。
上記を踏まえて、最初に上げたポイントを解説します。
ご両親をちゃんとステージに立たせてあげる
まずは事前にファミリーミートの意味合いをしっかり伝えると良いでしょう。
『結婚式の最初に、今まで一番お世話になった両親に自分たちの姿をしっかり見てほしい』
その趣旨をご両親が知っているのと、知らないとでは思うことも感じることも全く違うはずです。
または自分が信頼できるスタッフに伝えてもらう。
そうすることによって、やっとご両親はファミリーミートというステージに立つことが出来ます。
その場面に当日集中してもらうために頼むことは少なめに出来たら最高。
伝えたい言葉を決めておく
きっとファミリーミートを企画する2人には親御さんに伝えたい何かがあるはず。
「いままでありがとう」でも、「これからもよろしくお願いします」でも良いと思います。
この時間を作った意味を改めて伝えたりでも良いです。
そうすることでご両親から何か素敵な言葉を頂ける可能性が生まれる。
少なくとも、どうやって会場まで来たとかを話すよりはずっと濃い時間になるんじゃないかなと思います。
実際にこのタイミングで2人から感謝のお手紙を読むことも多いです。
お手紙の後はよく「パーティーはしんみりする時間はなしで、ただ純粋に楽しもう」みたいな、言葉を添えたりしてます。
以上、この2点を押さえておけば、ファミリーミートがより感動の時間になる可能性はぐっと高まるんじゃないかと思います。
ひょっとしたらお節介かもしれません。
インスタで見たからとか、流行だから形だけのセレモニーにするのではなく、想いの溢れるあたたかな時間になったら良いなと撮影する人として思うのです。
いろいろ書きましたが、緊張の1日で親御さんの顔を挙式前に見れたら、それだけで安心するというのでも良いと思います。
みなさまのファミリーミートが素敵な時間となりますように。
出来れば、その素敵な時間を記録するためにウチキフィルムもその場に立ち会えたら幸せです笑
よろしくお願い致します!
ウチキフィルム 打木 健司
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