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IWAI OMOTESANDOでの結婚式ムービー 撮影レポート

IWAI OMOTESANDOでの和装の結婚式

今回は2025年末に撮影させていただいたIWAI OMOTESANDOでの結婚式のレポート記事です。
前半はいつも通りにウチキフィルムをご検討の花嫁さま向けの具体事例の紹介。
後半はIWAIさんの結婚式の独自性のある演出についてプロの目線で分析してみた記事です。
テンプレが決まりきった結婚式に自分なりのアプローチをしたいという意欲的な花嫁さまにいただけると嬉しいです。
業界関係者、主にプランナーさんにも見てもらえたら、新しい視点を提供できるかもしれません。

まずは今回の出来上がりの動画をご覧ください!


ウェディングの会場紹介の窓口的なお仕事をされている新婦で、ウェディングハイライトという結婚式当日の「記録映像」と前撮りと当日をMIXした「5分のショートムービー」がセットになっているプランのご注文をいただきました。
ウチキフィルムの前撮りは普段着の2人と、思い出の場所や好きな場所で自由に撮影しています。
2人の日常と結婚式の当日を重ね合わせることでその2人でしか描けない動画作れるんじゃないかというウチキフィルムならではのプランです。

【もくじ】
・当日までの流れ
・和装で迎えた結婚式当日
・IWAIさんの結婚式について
・あなたらしいウェディングとは何か?

当日までの流れ

お問い合わせいただいたのは当日から8カ月前の4月中旬でした。
ウェディング会場紹介のお仕事をされているので、結婚式についての解像度が高く、初回からかなりスムーズにトントンとお話できたなという記憶があります。
早めにご成約いただいたのですが、結婚式当日については決まってないことも多いので、夏頃にお2人についてのアンケートをお送りして、オンラインでの打ち合わせ、9月に前撮りというスケジュールになりました。
アンケートの質問の中に「2人の宝物は?」というものがあるのですが、「氷結無糖」という回答があって、「これは仲良くなれそう!笑」と思ったのをよく覚えてます。
前撮りについてのオンラインでのお打ち合わせで、「出会ったのは名古屋で思い出の場所はやっぱり名古屋が多いけど、今の2人で住み始めた東京の家や街、お酒飲んでるところを撮って欲しい」というオーダーいただきました。
そんなご要望を受けて、9月の前撮りはお住まいのおうちや近くの商店街、駅前の居酒屋で撮影させていただきました。
写真も撮ったのでざっくり紹介させてください。

ご自宅での氷結レモンとともに笑
自宅での私服撮影

お家の近くの川でも撮影しました。
少しだけドレッシーに着替えてくれました。
鶴見川でのロケーションフォト

隠しきれない缶チューハイが良い感じです!
つくの商店街でのカップルフォト

駅前の居酒屋でも撮影させていただきました。
居酒屋での前撮り撮影

その後、11月にある程度の結婚式の内容が固まったら情報共有をしていただき、12月の挙式直前にオンラインで打ち合わせ。
進行表を一緒に見ながらお話をして「どの時間に何を撮るか?」という話を具体化して当日を安心して迎えていただけるように準備をします。
鮮明に覚えている会話が1つ。
僕の方から「氷結持ち込むんですか?」と聞いたら「うーん、酒飲みって思われそうでためらってますー」というお答えでした。
前撮りでも撮ったし、できれば当日の会場でも氷結で乾杯して欲しかったので「350なら大丈夫じゃないですか?」と背中を押したら「あっ!いいですね」となったのが本当酒飲みの会話過ぎて、面白くて大好きな時間でした。

和装で迎えた結婚式当日

6回目くらいのIWAI OMOTESANDOさんでの撮影。
当日の衣装は白無垢の和装でした。
成人式の時には、おばあちゃんに晴れ着姿見せれなかったから、今回和装を選んだというお話でした。
IWAIさんで白無垢姿を撮るのは初めてだったけど、会場の色味や光にマッチしていて素晴らしかったです。
IWAIOMOTESANDOでの和装撮影

晴れ着のお話を聞いた上での、おばあちゃんとのファミリーミートは感動しちゃいました。
おばあちゃんとのファーストミート

2人の乾杯酒は氷結無糖レモン7%が2人らしくて最高でした。
氷結無糖レモンでの乾杯

2025年最後の結婚式の撮影がこちらのお2人で良かったです。
2026年の2月に開催した僕自身が妻と趣味でやっているポップアップの居酒屋、「居酒屋ウチキ」にもご来店いただけて幸せでした!

IWAIさんの結婚式について

ここから当日のシーンを紹介しながら、IWAIさんの結婚式、大解剖してみます。
結婚式の進行やゲスト目線に立った「体験」に関するネタバレも含みますので、これからゲストとしてIWAIさんに参列する方は絶対に読まないでください笑
実際にやっていることの現象そのものよりも、もう一段深掘りして、そこから見えてくる思想や意図を推測することで、自分達の結婚式だったらどうだろう?みたいに考えられるきっかけになったら嬉しいです。
そういう視点であれば、どんな会場であっても取り入れられる、もしくは叩き台にしてより自分達らしいものに出来ると考えています。
と小難しそうに言ったのですが、あくまでも5~6回、現場に行った人の感想、考察です。

何はさておき、手紙のポスト

IWAIさんで印象的なのは受付にあるゲスト1人1人に宛てた手紙を収める「ポスト」だと思います。
IWAIさん以降、結婚式の演出の一つとしてゲストに手紙を渡すということも一つの定番になりつつあります。
そうした中でも、ゲストにとっての一日の最初のイベントである「受付」で読む流れは、ほぼIWAIさんでしか見たことがないです。

IWAIOMOTESANDOの受付のポスト

この手紙の在り方は、一般の結婚式に関する疑問が根底にあるのかなと思います。(想像です笑)
それは、2人を祝いに来ていて、久しぶりに会うその2人を最初に観るのが「いきなりチャペルという非日常空間での結婚式という儀式」というのは急すぎて感情付いて行くのは難しくない?ということ疑問。

一日の体験の最初に自分の名前のポストに入った「手紙」がある。
それはとてもしっくりする特別な1日の物語の始まりではないでしょうか?
そこに書かれた手紙というテキストによって、2人のことを思う濃い時間がゲストの心の中に挙式の前にしっかりと発生する。
挙式という非日常へ入っていくためのブリッジとしての「手紙」が設計されている。

IWAIOMOTESANDOで新郎の手紙投函シーン

実は一日の終わりにもう一つの演出が用意されています。
それが披露宴の結びの時間にゲストから2人に手紙を書き、お見送りの時にゲストから2人へ手紙を送り、それによって一日を結ぶという演出。
「終わりは始まり」という、映画演劇の手法を採用して一つの体験として上手にまとめている。
しっかり丸く収めることでIWAIの結婚式が1つの「体験」として収束する。
IWAIの披露宴結びのゲストの手紙を書くシーン

ファミリーミート、家族時間を冒頭に配置する

ファミリーミートはいまでこそ定番ですが、IWAIさんはかなり早い段階でタイムラインに当たり前に組み込まれていました。
ゲストもまだ来ていない段階で、プライベートな形で家族への感謝を伝える時間がテンプレートとして設定されています。
その背景には、「家族に感謝は伝えたい。でも、スポットライトを浴びてみんなの前で手紙を読みたいわけじゃない」という声があるんじゃないかと思います。
そういう結婚式一般のテンプレから離れて、よりよく家族への感謝が伝えられる方法が、披露宴や挙式よりも前に「家族の時間」を設定するという試みなんだと思います。
この時間組によってご家族の「体験」としても、挙式披露宴の一日が純粋に味わえるものに変わる。
「挙式でみんなの前で娘と一緒にしっかり歩かなかなきゃ」とか、「謝辞でちゃんと喋らなきゃ」という緊張に支配されずにその時その時の感情をちゃんと感じられる1日になる。
お2人も家族に会って、ちょっと泣いての時間があれば、緊張のピークは一旦通り過ぎて、挙式前に1回ほぐれて、結婚式披露宴の時間を過ごせる。
また見逃しがちですが、それぞれの家族でわけてファミリーミートを行うというのも、率直な本音や涙が溢れても大丈夫な空間を作る上で、大切な仕掛けでもあります。
両家でそろってのファミリーミートが今は定番ではありますが、そのことによって色々と取り繕ったりする気持ちがあるのも事実です。
お相手の両親の前では、なかなか「子供」にはなれない。
でも、気を使ってみんなでやるのが今の業界のファーストミートっていう気もします。
それをかなり早い段階から突き抜けて、不要な気遣いは排除して本質を提示していることにIWAIさんの革新性があると考察します。
IWAIのチャペルでの新郎のファミリーミート

独創的な唯一無二の人前挙式

IWAIの挙式前のチャペル

結婚式場の挙式といえば、チャペルのデザインだったり雰囲気というふわっとしたところの「差別化」が全てというのが、今も昔もずっと続いています。
そこで行われる儀式も、ゲストの体験としてはわかりづらいものです。
学校の行事の開会式とかとあまり変わらず、立ったり座ったりするだけ。
荘厳な演奏や聖書の言葉はなんだかすごいけども、やっぱり校長先生の言葉を聞く時間とそんなに変わらない。
ウェディングキスの時にスマホを向けて写真を撮ったりはするけど、基本は席にいないといけないし、よくわからない。

実は「儀式」というブラックボックスがあること、そしてその体験があまり快適でもなく、わかりにくい時間(あるいは外国人牧師の発音によっては滑稽にも思える)であることが、結婚式というものが一般の人へ与えるネガティブなイメージの要因の一つなんじゃないかと思います。
「それ必要?」「なんのため?」という根源的な疑問とそこに掛けれるコストの落差が「詐欺っぽい」とか「闇がある」と思われる原因にもなっている。
そのアンチテーゼのような形でIWAIの挙式があります。
人前式と一言で言っても、いわゆるキリスト教式もやるチャペルで、牧師を司会者に変えて、会場の誓いの言葉もテンプレートが提案され、それを2人がアレンジするだけのものがほとんどです。
IWAIの人前式の挙式の特徴の一つは「はなむけの言葉」です。
なんかすごいはないけども、そこには聖書の言葉よりも格段に分かりやすい言葉で言語化された2人へのお祝いの気持ちがあります。
だれでもわかる。
聖書の言葉よりも恩人の言葉。
見せかけの神聖さよりも、近しい人の震える声の方がずっと神。

IWAIでのはなむけの言葉

司式者はプランナーさん。
最初に自己紹介するし、一緒に準備しているというイメージのある職業だから、ただ喋るのがうまいひとよりもそこにいる意味がゲストにもわかりやすい。
「司式ってだれやねん?」という疑問が無くて済む。

誓いの言葉も何かの開会宣言のようなものではなく、2人が出会った時から今までの想いを丁寧に綴った手紙を読みあうことで、共感出来て、2人を応援する気持ちになれる。
難しいことは何もない、誰に何を誓っているのか?シンプルでわかりやすい。
それがゲストの「体験」の質を上げる。
IWAIでの誓いの言葉

披露宴の演出について

チョットこまごまと書き過ぎて長くなってしまったので、ここからは少しざっくりと書きます。

迎賓スタイル

披露宴の新郎新婦の迎賓シーン

披露宴の入場というのはなく、2人が披露宴会場の入口でゲストを迎えるスタイルです。
そのことでまずゲストは2人と話せる。
個々で「お祝いの気持ちを伝える」という結婚式の列席する最大のミッションを披露宴開園宴前に果たすことができる。。
「2人と全然話せなかった」という結婚式のゲストのストレスあるあるを早々に解消できます。

文字だけのプロフィールムービー=ライフストーリー

IWAIのライフストーリー

一般的な、写真を集めて、市販の音楽にはめるテンプレートのプロフィールムービーではなく、歌詞のない音楽の文字のみのムービーをみんなで観るという演出です。
ここではあえてビジュアルイメージを排除して、テキストを読ませることで「想像」を喚起し、それぞれの記憶にある2人の思い出を想起させる装置として機能しています。
実はわかりやすくビジュアルで一方的に与えるイメージよりも、自分の頭の中で想像をしてしまう映像の方が心に残るというのは、映像の世界ではよく言われることです。
プロフィールムービーのザ・テンプレートなイメージがけしてポジティブなものではなく、ゆえに大胆なフォルムチェンジを試みているのだろうと想像しています。
中座の時間ではなく、2人のいるところで流すのもポイントです。
2人がいることで、中座時とは違う会場で集中して観るという空気が自然と生まれるのです。

1人1人のポートレート撮影

IWAIの披露宴でのポートレート撮影

他の披露宴と異なるポイントとして、歓談中に会場の隅でフォトグラファーがゲスト1人1人のポートレート撮影をしています。
これは他の会場では見られません。
IWAIというよりも、写真撮影のクッポグラフィーさんのアイデアなのかもしれませんが、いずれにせよオリジナルな演出です。
みんなで撮ってもらうテーブルフォトは今の時代、新郎新婦から共有してもらっても無邪気にSNSに上げられません。
ソロのポートレートならラインのアイコンとかにも使いやすく、それを使い続けるうちは、2人の結婚式が頭の片隅にあるという効果もあるかもしれません。、
個人を写したものなので、必然的に2人からゲストへのデータ共有という挙式後のコミュニケーションが生まれることで、その後の2人とゲストとの関係性に配慮した設計にもなっています。
写真を記録としてだけではなく、コミュニケーションツールとしても位置付けている点で現代的だなと感じます。

釜めしオープン

釜めしオープン

ケーキ入刀というのは、結婚式の象徴的なシーンだけど、由来も海外のもので「儀式」先行で分かりづらい。
釜めしには「同じ釜の飯を食う仲間」という言葉があるので、意味が分かりやすい。
何より米なので満腹感を促せて、とりあえずお腹いっぱいでおうちに帰れるし、料理への満足感も高まる。
2人が茶碗によそって振る舞うことで、2人との個別な接触が増やせる。
料理の量に対する個人差と新郎新婦とのコミュニケーション不足の両方を補完しているセレモニーにもなっています。

ぱっと思い浮かぶ特徴的な演出はこんな感じです。
一般的な結婚式についてのゲスト視点、経験者視点で思い浮かぶストレスや不満となるポイントへ大胆に切り込んで、フォーマットの変更を提案している。
だからIWAIさんには尖ったオリジナリティはあるが、一組一組はあくまで「IWAI」という同じコンセプトのウェディングであって、オリジナルウェディングではない。
とはいえ会場のデザインにまで落とし込んで、さらにオペレーションにしっかりと浸透させている。
そのことにリスペクトを表したい。

よくIWAIさんの良さは「持ち込みが自由」とかありますが、そこは本質ではないと思います。
持ち込み色はどっちかといえば薄いです。
実は一回もフォトグラファーさんが持ち込まれているという機会は一度もないです。
持ち込みうんぬんよりもIWAIさんが好きというカップルが多いなという印象を持っています。

あなたらしいウェディングとは何か?

さて、長々とある意味ではIWAIさん礼賛の記事とも読める内容を書いてきました。
この新しいウェディングのスタイルへの挑戦はとても興味深いと思っています。

基本的には「ウェディングの定番としてあるものだけど、その意味が少しでも不要または不快と思えるもの」は一度ゼロで考えてみるというアプローチが根底にあると思います。
双方向のコミュニケーションを活性化することで生まれる価値を重視して、ケーキ、披露宴入場などを大胆に別案にトレードオフすることで実現しています。

細かくみていくと応用が出来そうなテクニックもあります。
例えば「はなむけ」「同じ釜の飯を食う」などの言葉です。
こういった昔からある、でも誰でも分かるワードを引用することで、新しさの中にも深みや格式をもたらすことが出来る。
そういった切り口で言葉や伝統に注目して新しい展開を創造することで、一人一人の結婚式の中にオリジナリティのある試みを実現することが出来るかもしれません。

今回の記事に書いていない僕の本音をひとつ書くとすれば、オリジナリティを作るのは会場ではなく、本来は人です。
個人個人の中にこそオリジナリティがある。
ウェディング業界があまりにも古く不鮮明なテンプレートに支配され過ぎているから、一つの会場のコンセプトがその結婚式のオリジナリティに見えてしまう。
でも、それは違う。
それはあくまでも結婚式場の個性であって、2人の個性はもっと美しいし、2人らしさはもっと個人的なものでゴツゴツしたものであるはずで、そこにビデオグラファーとして注目して、さらに深めるようなサービスの提供をしていきたい。

実は5月にクレイジーさんの新店を持ち込みで撮影させていただくことが決まっています。
また新しい会場でIWAIの量産型ではないスタイルを見せてもらえることを期待しています。
それを観た時に自分がどう思うか?それに対してどんな映像をぶつけていくか?
いまからワクワクしています。
そんな気持ちを持ち続けられる限り、結婚式の当日にしっかり向き合い続けていきたい。

ウチキフィルム 打木健司

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