ウチキフィルム | ウェディングムービー・結婚式エンドロール撮影

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CP+2019パナソニック動画セミナーで登壇しました!


2月28日~3月3日までカメラ好きの祭典CP+がパシフィコ横浜で開催されました。
今回ご縁があり、パナソニックのブースの一角でウェディング動画についてお話させていただきました。

CP+はプロも一般も広くカメラが好きな人を対象にしたイベントです。
登壇したのは3月1日金曜日の平日でしたが、多くの来場者で溢れていてとても活気のあるイベントでした。

カメラのイベントなので、大半は写真に興味がある、または仕事にしている人が多い中の動画セミナー。
ウェディングムービーというとても限定的なテーマで、しかも1時間立ちっぱなし。
そんななかでも、足を止めてくれる方がいてとても嬉しかったです。

内容としては、メーカーさんのセミナーということでもちろん使っているカメラの良さみたいな話もするんですが、ウェディングムービーを実際に撮っている人に少しでも役に立つ話ができればと思って話をしました。
機材のお話以外でウチキフィルムがウェディングムービーを作るうえで大切にしていることを3点ほどお話させていただきました。
当日お話した内容に、少し付け加えて記載しておきます。
(動画セミナー内容ですので、ウェディングのビデオグラファー以外の方には少し分かりにくい内容となります。)

1、カップルの個性や人間性を描く。
結婚式で大切なことは何か?と考えたときに、僕はその人らしさだと考えています。
どんな会場?どんなドレス?どんな料理?そういった事柄にその人らしさが出ることもあるし、出ないこともある。
その中で、まずは普段のそのままの2人を撮影することでカップルの個性、その人らしさをより描けるんじゃないかと考えました。
そこで、ウチキフィルムではご依頼いただいたすべてのカップルを私服で前撮りをすることで実践しています。

前撮りをすることでカップルの個性がウェディングムービーの個性になります。
そうすることで、他の数多ある結婚式の映像との差別化が出来ると考えています。

結婚式の前にカップルと一緒に撮影し、ムービーを作っていくという作業を通して、ただ打ち合わせをするよりももっと密な関係性を作ることができます。
そのことによって、当日撮影する時に自然と笑顔になってくれて、当日に撮れる映像の質が変わります。

もう1つの視点としては、ウチキフィルムはいわゆる『持ち込み』で撮影する業者です、
提携業者と同じ条件で撮影させてもらえる会場もありますが、撮影制限を加えて極力持ち込みをブロックしようとする会場もあります。
そうした会場提携の業者の映像とは少し違う土俵では戦うという戦術でもあります。

2、結婚式を『切り取る』ではなく、『撮りきる』
定点カメラなど複数台のカメラを使うことで出来るだけ多くの素材を撮ることで、映像としてしっかり当日を再現できるように心がけています。

結婚式の映像は3~4分のダイジェストや2時間の記録映像など業者や商品によって違いがあります。
結婚式の当日を画として切り取って、ある程度のクオリティで3~4分のダイジェストを作るのはそんなに難しいことではないと思っています。
そうなると後発の業者さんとの差別化が難しいです。
一方で記録映像は?というと、こちらも記録するだけでもかなり大変な撮影なわりに2時間という仕上げの性質上、作り手によるクオリティの違いが伝えにくい商品です。
結果的には価格競争にしかならない。

ダイジェストを作りつつ、結婚式を『撮りきる』ということになると、複数台のカメラを管理・運用して、進行の先を読みながら撮影していく必要があります。
ここでは結婚式・披露宴での記録撮影の経験がものを言います。
音楽著作権の問題から、新規に結婚式の記録映像に取り組む人は減っていく中、技術面で差別化できるポイントになると考えています。

そして、なによりもカップルにとって、結婚式当日の時間というのはかけがえのない時間です。
どんな瞬間でも残しておきたい!自分たちが当日観られない瞬間を観たい!というニーズはあります。

また、多くの素材を撮影しておくことで、編集でのたくさんの選択肢が増えて、ショートフィルムのクオリティが高まると考えています。

3、撮影だけでなく、前後の打ち合わせ・編集に時間をかける
打ち合わせ・ロケハンなどの準備や編集に時間をかけて制作しています。

通常の会場提携の業者が制作する結婚式の映像は事前の結婚式の内容についての打ち合わせはなく、編集も通常半日~1日程度。
そうなると、唯一違いを生み出せるのは『撮影』のみ。

とはいえ、その撮影も結婚式の中で制約を受けることだらけ。
「美容が遅れると困るので、ブライズルームはお仕度上がり後、5分で済ませてください」とか。
「式中は一箇所から動かずに撮ってください」「三脚は使わないでください」などなど。
こうした中での違いを生み出すのは難しいです。

それならば、『撮影』以外の作業を濃く、充実させることが一番大きく差別化できるポイントだと思います。
打ち合わせやロケハンを通して、事前にしっかりと撮影プランを組み立てて、撮影に臨むこと。
その上で撮影した素材に対して、編集する上でのコンセプトや目標を定めて、再構成する時間をかけること。
結婚式当日でなければ、かなり自由に自分のやり方でアプローチすることが出来ます。

こうした通常の結婚式のワークフローから積極的に外れることで、初めて新しい何かが作れるんじゃないかなと考えています。

当初、この3つは思い浮かんだものを箇条書きにしたものでした。
ところが、気づけば全ての事柄について、『差別化』というのがキーワードになっていました。
差別化=自らの個性の追求だと思います。
フリーランスとして、結婚式を撮っていく(撮り続ける)上で大切なことは実はそういうことなのかもしれません。

そんなわけで1時間の枠を1日3回転。
3回目は若干電池切れで、ヘロヘロでしたが、しっかりと最後まで聞いていただき、質問までしてくれた人もいて本当にありがたいなと思いました!

ウチキフィルム
打木 健司