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結婚式場の『持ち込み』対策へのアプローチ



7月28日。
先週は4連休があったり、オリンピックが始まったり。
4連休中は、5月から延期になった結婚式に4月の結婚式の後撮りやオンラインのお打ち合わせなどなど。
結構ずっとバタバタしておりました!

延期になっていた結婚式は本来持ち込みNGの会場での結婚式。
新郎新婦の交渉のおかげで、制限がほとんどない状態で撮影することができました。
本来ではありえないので、残念ながら詳細や具体的な内容を表に出すことはできません。
ただそういう例外もあるにはあります。
持ち込みブロックを突破する最後の最後は2人の想いだったりします。

そんなわけで今回のテーマは『持ち込み』。
だとありふれているので、会場の持ち込み対策に対してウチキフィルムがしている対策の話をします。
ややこしい!笑

持ち込みとは?

持ち込みとは結婚式場の契約している提携業者のサービスを頼まずに、新郎新婦が提携外の業者やフリーランスに注文して、業者を持ち込んでサービスを受けることを言います。
『外注する』ということもあります。

持ち込みについてのメリット、デメリットについて、言い尽くされているし、ステレオタイプの話になるかと思いますので割愛します。
結婚式場も持ち込み自体を絶対NGとすると感じが悪いので、表向きは出来るとしているところも多いです。
ただ慈善事業ではないので、持ち込みOKと言いながらも利益を確保するために持ち込みのメリットを潰しに来ます。
その方法の一つが『撮影制限』です。
持ち込み業者に注文すると、撮れないシーンや撮り方が制限されるシーンを設定しています。

メジャーなものを箇条書きします。
・ブライズルーム・メイクシーン撮影NG
・ロケーション撮影NG
・共有スペースの撮影NG(ホテル等)
・挙式撮影NG(挙式は撮れるけど、客席に座って撮ってねという場合もあります)
・撮って出しはダメ絶対

こんな感じで、プロモーション風に撮るのが得意な業者さんとか、2人とのコミュニケーションや演技を付けるのが上手な業者さんは最初の2つでだいぶ殺されますよね。
挙式まで撮れないと流石に記録としてもどうなの?って感じだとは思います。
そんなわけで、対応手段というか、制限だらけでも魅力的な映像が作れるか?という話を書いてみます。

ウチキフィルムの『持ち込み対策』対策

こういう対策は今に始まったことではないので、いまから約7年前のウチキフィルムを立ち上げる時からその対策については考えていました。

①打ち合わせをする
これは当たり前のようですが、実はほとんど提携業者は出来ていません。
提携業者ができる打ち合わせは、『何を買いますか?』という営業だけです。
営業という姿勢では、結婚式をどう撮ればより良く、満足の行くモノになるかという打ち合わせには当然なりません。
そもそも営業の人間と当日撮影する人間とは違うことがほとんどです。
会場提携の業者では、カップルと実際に結婚式当日撮影する人と事前に結婚式について話をするという時間は基本的にありません。
何故かというと、提携の撮影会社のビデオグラファーのほとんどが外注だからです。
なので、打ち合わせのためにわざわざギャラを出す事はないですし、そもそもどの婚礼に誰が入るかの確約が出来ないという会社が普通だと思います。
そんなわけで、とてもシンプルですが、『撮影する本人がカップルと打ち合わせをする』ということは、提携業者に対して大きなアドバンテージになります。

②必ず前撮りをする
ビデオグラファーとして、条件が一緒なら会場のサンプルと同等か、サンプルがイケてなければ同等以上のクオリティの映像を作る自信はあります。
ただ、持ち込みで撮影する場合は条件が毎度異なります。
前撮りをするのは、2人らしさの追求ということはもちろん、どんな制限があっても必ずウチキフィルムのクオリティを提供するためでもあります。
これがダメなら、この要素を足すとか。
引き算された分、別の角度から足せばいいじゃんという感じで補っていきます。
そんな感じで結婚式の前からの体験(打ち合わせ含む)としてウチキフィルムを楽しんでもらうことを大切にしています。

③当日、2人の入り時間と同じかその前に現場に入る。
頑張る!笑というシンプルな作戦ですが、これも打ち合わせと同じ理屈です。
普通は挙式2時間前に会場入りして、機材の準備をして外観撮って、2人のお部屋に行くのが挙式の1時間10分くらい前。
もうドレスも着ていて、作り物のメイクシーンを撮るところから始まる。
2人の入り時間は挙式の3時間半~3時間前。
そこから撮り始めると、ドレスや指輪の物撮りが時間を掛けて出来る。
それに打ち合わせ、前撮りとしたスタッフが朝一に現場にいることは、2人にとっても大きな安心や、リラックスする要素になる。
ほとんどの提携会社のビデオグラファーが外注。
早めに会場に入るということは当然、追加のギャランティーが発生する。
だから提携会場では同様の対応は難しい。
たとえ朝一に、初めましてのビデオグラファーが顔を出しても『誰?』って感じで緊張を与えるだけです。

④ファーストネームで呼ぶ
通常、提携会場のビデオグラファーは2人のことを『ご新郎様』『ご新婦様』と呼びます。
何故なら、間違えるリスクを避けるため。
提携会場のビデオグラファーやフォトグラファーは当日に進行表を渡されて初めて2人の名前を知ります。
でも、名前よりもミスなく撮影するために進行内容を頭に入れる方を優先するので、名前を覚えこむ時間はありません。
名前で呼ぶことのメリットは、スタッフの中の誰よりも自分の声に反応してくれることにあります。
『ご新郎様』と呼ばれても、普通は自分のことだと理解するのに少し間がある。
でも『○○さん』と名前で呼ぶと、自分のことでしかないからすぐにこっちを見てくれる。
悲しいけど、それが結婚式当日の現実。

そんな感じで、元々提携会社で働いていた分、その弱点を狙った提案や動きをしています。
独立した時に考えていた具体的な目標は、提携会場で働いて時の自分の作品を持ち込みで超えることです。
そのためにどうすればよいかということを自然としている気がします。

これからのフリーランスのビデオグラファーについて

自分の結婚式に持ち込みのビデオグラファーを雇う理由にそれぞれあります。
料金やクオリティーなどなど、昔からある理由はもちろんあります。

少しずつ機材が進化したことで結婚式の切り取り方では、正直あまり差が付かくなりつつあります。
それよりは圧倒的に「ブランディング!」みたいな、空虚で居心地の悪い世界にもなりつつあります。
それなら、提携業者さんの方が良いんじゃない?経験値も何もかも。って思うことも正直多いです。

そんな中で、これからのフリーランスのビデオグラファーのあるべき姿を思う時に大切なことは何か?
それは、「2人の結婚式に対してどういう提案ができるか?」だと思います。
これは結婚式を現場でちゃんと知ってないと出来ないし、2人と正面から向かい合わないと出来ません。
それプランナーの仕事だろって突っ込みはあると思います。
でも、プランナーは2人の結婚式の内容が2人らしくても、テンプレート通りでも、直接明日からの直接的な集客には関係ありません。
フリーランスのビデオグラファーは違います。
例えば撮影する結婚式がどんなに素敵な会場で装飾でも、どんなに美男美女であっても、結婚式そのものがテンプレート通りのものなら、映像は素敵なテンプレート映像が出来上がるだけです。
それは提携業者でも出来るし、他社も同じだから、事例として紹介しても、強く胸を打つような映像にはならない。
フリーランスのビデオグラファーにとって、撮影する結婚式が2人の想いにコンテンツが足りてないとしたら、それは足さないと自分の首を絞めることになる。
だからお節介かもしれないけど、セカンドオピニオンのような形で色々と当日の内容に提案していく。
それが出来るのは現場の空気感も音も、温度も何かも残せるビデオグラファーならではだと思っています。
「こんな結婚式撮れたらいいな」ではなくて撮りたい結婚式を自分で作っていく、そういうところ勝負になってくるし、これからはそうなって欲しいと思っています。
それがこれからのビデオグラファーの在り方なんじゃないかなと思います。

そんなわけで持ち込みの話から、ビデオグラファーの役割について展開してみました。
結婚式のビデオグラファーが必要な方はもちろん、セカンドオピニオンが必要な方もぜひお気軽にお問い合わせください!

ウチキフィルム 打木 健司