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結婚式のカメラマンの選び方

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6月に入りました。
そろそろ梅雨、天気を気にしながらスケジュールを組むことも増えてきました。
おかげさまで毎週毎週、横浜へ、葉山へ、八王子へ、軽井沢へと結婚式を撮影させていただいております。
そんな日々の中ですが、公私にわたって仲の良いフォトグラファーの北井さんの依頼を受けてプロモーションムービーを作りました。
フォトホームキタイさん


同じ結婚式に入ることもあるフォトグラファーさんだし、元々同じ会社で働いていたので気心知れた感満載に仕上がりました。
ウチキフィルムのプロモーションをいずれこんな形にしたいという試作でもあります。
プロモーションムービーというにはドキュメンタリー要素が強めの作品ですが、ぜひご覧頂けると嬉しいです!
結婚式のフォトグラファーを探している方に特に参考になると思うのは前撮りやフォトウェディングと結婚式当日撮影の違いかなと思います。
(これはビデオグラファーの場合も共通しているポイントだと思います)

【もくじ】
・カメラマンの選び方
・指名が出来ること
・打ち合わせが出来ること
・1日を通しての写真が見られるか?
・どんな実績があるか?
・2022年の秋の繁忙期

カメラマンの選び方

まず最初にお伝えしたいのは、会場提携の商品を頼めば、普通に北井さんみたいなカメラマンに出会えるわけではありません。
素敵なフォトグラファーさんの紹介のついで、と言っては何ですが、今回は結婚式当日のカメラマンを探している人向けにカメラマンを選択する際のポイントを書いてみます。
写真はテーストの好みが人によって変わるものなので、技術や流行について解説するつもりはありませんし、個人的なおすすめを書いているものではありません。
「あたりを引く」ためではなく、どちらかというと「失敗しない」ための方法を書いています。
ほぼビデオグラファーにも同じことが言えるし、個人の腕が少なからず影響する業種にも共通するんじゃないかなと思いますので、結婚式準備の参考になればと思います。
結婚式当日のカメラマンさんを選ぶポイント+ビデオグラファーを選ぶ場合を補足という感じで書き進めてみます。
※あくまで結婚式当日に限定してのお話しです。
フォトウェディングや前撮りは予算が許せばやり直しがきくので、『この雰囲気好き!』だけで選んでもきっと大丈夫!

・指名が出来ること

個人のフリーランスならば、まさにその人を選ぶということなので=指名になりますが、同じ業者でも特に会社で選んだ場合は指名することをおすすめします。
僕自身、会場提携の撮影会社で働いていたことがあります。
そこでのキャリアの後半はビデオグラファーの人員配置・手配の仕事をしていたので、秋のピーク1日で40人くらいの人を動かすこともありました。
※ちなみにウェディングの繁忙期はダントツで10月~11月です!
その中には提携会社だけど、その会場初めてという方もいたし、なんならその会社で仕事するの初めてという人もいました。
実際会ってみると「昔は撮ってたけどねぇ」とか、「一年ぶりに結婚式撮ります」なんてことは、繁忙期の恒例行事でした。
(依頼している1週間前に念のため顔合わせしたら、カメラのバッテリーの入れ方すらわからないということが発覚したこともありました。その時は人員配置を大シャッフルしました。「もう、なんで仕事引き受けたの?どんなメンタル?」っていう状況笑)
もう7~8年くらい前の話ですが、コロナの影響が少なくなれば、繁忙期のそういう状況は変わらないと思います。
どんな業界もそうだとは思いますが、最大のピークに合わせて常に余剰人員を用意している会社はないです。
じゃあ、撮影会社が依頼を断ればいいというのは、とっても正論でその通りです。
そうであれば、新郎新婦は他で仕事を受ける余裕のあるところに頼める。
全て丸く収まるし、なにより新郎新婦のためになる。
でも撮影会社にとっては『断る=提携会場に別の業者が入る』ことになる。
それはだいぶ避けたい。
誠実というのは、個人であればそんなに難しくないけど、組織になると途端に難しい。
そういう裏事情を知っているからこそ、指名が出来るのであれば「指名する」ということはとってもおすすめです。
指名さえしてしまえば、とりあえず「今日、結婚式初めて撮ります」「このカメラ初めて使います」みたいな人は現場に来ません。
(もちろん、一応そういうのは繁忙期でもレアケースです。うまい下手はありますが、大体はそれなりの人がそれなりに撮ってくれます。念のため!)

・打ち合わせが出来ること

オンラインでもなんでも、出来れば成約前にお話ができると安心ですね。
写真の場合はアルバムが付くかどうかくらいで、とりあえずデータはもらえるので誰を選んでもサービス内容が全然違うということはないです。
だから業者としてはホームページ見れば大体わかるよねって思ってます。
でも、実際検討する新郎新婦は結婚式を挙げるのはだいたい初めて。
わかることもあれば、わからないこともある。
それに人柄まではやっぱり話してみないとわからない。(SNS等を通して染み出してくるものはありますが)
安い買い物ではないし、慎重になるのは当然で、早い段階で打ち合わせの希望は伝えたほうが良いです。

例外としては何年も前からインスタをフォローしていて、絶対この人に頼みたいという人で人柄も作品も何もかもわかっているという自信がある場合は、このプロセスを飛び越えることもありだとは思います。

ビデオグラファーの場合は、業者によって納品されるモノがバラバラです。
現場の音声を全く収録しない人もいるし、出来上がりの尺の長さも3分~2時間半とマチマチです。
新郎新婦が思っているほどには、決まったフォーマットは実はありません。
なので、サービスの確認というプロセスはかなり大事です。

初めての会場なら下見してくれれば、なお良いです。
ただフォトグラファーさんで必ず事前に会場下見するという人はかなりレアなので、絶対してくれるとは思わないほうがいいでしょう。

ビデオグラファーの場合は、機材の量がフォトグラファーよりもかなり多いです。
撮って出しなんかだと、一度で持ち運べない機材量の時だってあります。
だから当日の段取りについての「知りたさ」が全く違います。
だから、事前下見をする人が多いんじゃないかなと思います。
下見をしてプランナーと話して、段取りをビデオグラファー側でコントロールすることで、撮って出しの編集時間がまるで変わることも多々ある。
それは出来上がりのクオリティーが上がることを意味します。
もちろん、プランナーと話してても、当日の現場スタッフには何も伝わってなくて、全然話が違ったってこともありますが笑
(プランナーが当日の現場に立ち会わない会場も多いので)

また新郎新婦を介した確認だと現場レベルの話が難しいこともあります。
とりあえずプロの目線で下見をして、プランナーと話すことでその会場がマニュアル重視か、2人重視か、持ち込みカメラマンに敵対的か、友好的か、などかなりのことがわかります。
その上で新郎新婦へのアドバイスやご要望と現実との擦り合わせもできます。

・1日を通しての写真が見られるか?

インスタグラムで目を引くのはだいたい、新郎新婦だけが写ったロケーションフォト。
それがどんなシチュエーションで撮られたか?まではわかりません。
冒頭の動画にもありますが、前撮りと結婚式当日は全然違います。
前撮りは写真が中心で現場が回るもの。
フォトグラファーが納得いくまで何度でもポーズのリクエストができます。

けれど結婚式当日はたくさんの人が集まるイベントだから厳密なタイムスケジュールがある。
ロケーション撮影の時間はあるけど、メイクの時間が押したり、当日のハプニングによっては予定の3分の1くらいしかなくなることも多々ある。
そして挙式でチャペルのドアが開いたら、もう止めることもやり直すことも出来ません。
「フラワーシャワー、もう1回しましょう!」なんて絶対言えない笑
ドキュメンタリーでしかない世界。
時間なんてなくて当たり前な世界。
だから作品撮りのような時間を掛けて撮る写真ではなくて、実際の結婚式当日の写真を見せてもらうことをおすすめします。
結婚式当日の流れが漏れなくしっかりわかるモノが撮れているのか?
それを知るには1日を通した写真が一定レベルのクオリティを保っているかは大事なポイントになると思います。

ビデオグラファーで言えば、イメージカットを繋げたSNSアップ用のショートフィルムではなく実際に納品したものを見せてもらうといいんじゃないかなと思います。

・どんな実績があるか?

今は誰でもカメラマンになれる時代。
ドレスを来たモデルを1カットでも撮ったら「ウェディングも撮ってます」と言えてしまう。
家族や友達の結婚式の写真を2~3回撮っただけで、それだけ集客しているような人もいます。
そんな時代だからこそ、どんな経歴を持っているのかはとても大切です。
だいたいの実力あるウェディングフォトグラファーさんは提携業者で滝行のようにひたすら結婚式に向かい合ってた時間があるものです。
ホームページやSNSで確認できない場合は、打ち合わせの時に確認してみると良いと思います。

ちなみに実績と言っても過去の同じ会場での撮影経験はないよりはあったほうがいいけど、そこまで重視しなくてもいいんじゃないかなと思います。
それは案外巡り合わせだったりします。
会場下見だったり、プランナーさんとの打ち合わせでいくらでも補うことは出来るので本当にしっかりとした経歴があれば問題ありません。
撮影会社で普通に2年くらい揉まれていれば、それだけで100~150件くらいの撮影経験になるので、初見での撮影なんてへっちゃらです笑

ビデオグラファーの場合も最近は一緒で、花嫁がウェディングドレスを着たオープニングムービーを撮ることも「ウェディング撮ってます」ということになっています。
オープニングムービーを作る能力と結婚式当日を撮る能力とは全く別物です。
2022年現在の結婚式場のタイムスケジュールには写真撮影の時間はあるけど、ムービー撮影の時間は用意されていません。
ロケーションで発揮されるディレクション能力は結婚式当日ではあんまり役に立たない。
だからどれくらい結婚式当日の会場に入ったことがあるのか?など実績の確認はしておいたほうが良いです。
100件くらい仕事として結婚式の撮影していれば、たいていの結婚式には対応できるんじゃないかなと思います。

2022年の秋の繁忙期

今回はカメラマンの選び方というタイトルで書いたのは、カメラマンさんのプロモーションを作ったことが理由の一つではありますが、もう一つの理由があります。
それはここ最近の結婚式をめぐる状況があります。
結婚式におけるコロナ禍は少しずつ終わろうとしています。
おかげさまで2022年の秋の受注状況はかなり好調です。
個人としてはとても嬉しいし、明るい気持ちです。
本当に苦しかったけど、結婚式の仕事を辞めずに良かったなと思います。

一方で結婚式から撤退した人や距離を取った人もかなり多い。
小規模のウェディングが多かったので、エンドロールを上映する人も記録ビデオを残す人も少なかったと思います。
だからこの2年間、会場提携の撮影会社の契約ビデオグラファーは特に仕事がなかったんじゃないかなと思います。
そんな時間が終わりそうです。
一つ懸念点があるとすれば、そんなウェディングを離れてたスタッフとこの2年間ずっとタイミングを探りながらインスタのウェディング関連の投稿を薄目で見続けてきた花嫁との意識の差。
現場だけでは全然話が通じない可能性もおおいにあります。
そんな懸念もあり、今回スタッフを選ぶという視点でブログを書きました。

コロナ禍はウェディング業界に甚大なダメージを与えました。
そこで働くスタッフの人生を変えてしまうほどに。
その傷は結婚式を挙げる人が増えたから、すぐに回復するものではありません。
プロではない人が教育される余裕もなく、無理やり現場に放り込まれる、そんな状況がたやすく想像できる。
それはコロナの前からも繁忙期の「あるある」だったし、この秋はその状況が起きやすい環境が悪い意味で整っている。
何かのきっかけでウチキフィルムのホームページにたどり着いてくれたカップルが「あるある」に巻き込まれないようにこのブログが役にたってくれたら良いなと思っています。
どうか結婚式当日が2人にとって最高のスタッフに囲まれた理想の一日となりますように。
なにより素敵な当日を過ごせますように。
そして、その後にステキな写真や映像が残りますように。

できたらウチキフィルムもそのスタッフに選ばれるといいな笑という希望を添えて、今回のブログを結びたいと思います!
よろしくお願い致します。

ウチキフィルム 打木健司