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結婚式におけるビデオグラファーの仕事(大阪出張編)

結婚式におけるビデオグラファーの仕事

10月27日。
先週は火曜・水曜に和歌山、土曜・日曜で大阪へと関西方面へウェディングの撮影に伺いました。
どちらの撮影も僕の中で新しい挑戦が出来ていて、とても有意義な一週間を過ごす事が出来ました。

前泊だからできた撮影

大阪では前日(10月23日)の23時にお2人宿泊のホテルへ伺いました。
結婚式当日の日付が変わるタイミングで入籍するということを伺っていたので、その様子を撮影して撮って出しの映像の中に入れませんか?
という提案をしました。

すごく喜んでくれたので、もう1つ入籍に絡めた提案をしました。
それは「名字が変わる前の最後の手紙を新郎から新婦へ読みませんか?」ということでした。

元々、前撮りの内容を決める前にアンケートを取っていて、その中で新郎が新婦からしてもらったこと嬉しかったことに手紙を書いてくれたことというものがありました。
なので、そのお返しをしてみませんか?という提案をしました。
お2人に提案を快諾いただき、入籍前の23時にホテルの客室へ。

趣旨もしっかりご理解いただいた上で、真っすぐなお気持ちをそのまま手紙にしてくれた新郎の手紙は撮っていて感動しました。
場所もラグジュアリーホテルの高層階ということで、夜景が素敵で最高のシーンとなりました。

そんなシーンと入籍シーンと、もちろん当日も絡めた撮って出しのエンディングは無事大好評で終わることが出来ました。
新婦と目指した「なんかスゴイ、こんなの見た事ない!」という感じを実現できたことが何より嬉しかったです。

これからのビデオグラファーの在り方

映像をお見せ出来ないのは残念ですが、今回のお2人とは理想的な関わり方が出来たんじゃないかと思いました。
前撮りでもお2人の出会った大阪に一緒に行ってくれました。
大阪で撮る理由としては、2人が同じ大学の出身でなおかつ大学時代は何の接点もなかったからです。
初めて2人で大学に行くというのは、普通に思い出の場所を巡るのとも違う、きっと楽しいだろうし、新しい発見もあるかもしれない。
2人にとって、ただの撮影以上の経験になるんじゃないかと思ったので提案しました。
そんな提案も受け入れてくれなければ、ただの思い付きで終わってしまいます。
そういう意味でとても理想的だったと思います。

ビデオグラファーの役割というのは、以前は「結婚式をどう撮るか?」だけで終わっていました。

これからは結婚式の準備から当日までのトータルを演出することで差別していくのかなと考えています。

前撮りの撮影をただ素材を撮るという作業ではなく、人生における体験の提案という所まで深めて行きたい。
今まではそれで満足している自分もいました。
これからは結婚式当日にも影響を与えたいと思うようになりました。

フリーランスになって色んな結婚式を、色んな会場、色んなスタッフで撮って来ました。
その中で気づいたのは、実はビデオグラファーが一番「結婚式の当日が実際にどうだったか?」ということが仕事のクオリティに影響する仕事であるということ。
同じ記録するのでも写真と違って、一瞬素晴らしい画が撮れてもあまり意味がない。

ちゃんと感情が伴わないと、映像を観た時に印象的なものにはならない。
映像は当日の空気や温度まで映るようなそんなものです。
結婚式全体がちゃんと素晴らしくないと、そこに映像の限界が生まれる。
だから僕のところに来てくれたカップルの結婚式には自分で手を突っ込んでいこうと決めています。
ただ黙ってみているのは、本当に時間の無駄だなと思います。

それは当日をがっつり演出して、ヤラセのシーンを作って、こちらの理想の形にはめることではありません。(それは一番くだらない)
ビデオグラファーがするべきことは、リアルの質を上げることだと思います。

段取り・見た目・心のコンディション

ビデオグラファーとして、リアルの質を上げるには何をすべきか?
すべきことは「段取り」を整えること、「見た目」を整えること、そしてストーリーを明確にすることで、「2人の心のコンディション」を整えること。
ちょっと抽象的ですね。
具体的な話をすると、大阪での撮影の時の話。
当日についての打ち合わせで「ファミリーミート」の話をしていた時。
ファミリーミートは、晴れ姿の2人と大切な家族が結婚式当日に初めて対面するイベント。
家族との時間ということでしたが、新婦の妹さんのお子さんとその世話をするための旦那さんまでミートする「段取り」になっていました。
「見た目」的にも、少し人が多いし、一目で見た時に何のシーンか分かりづらい。
さらにお子様がいることで、可愛いけど全員の集中がちょっと散ってしまう。
結果、「2人の心のコンディション」が出来事に伴ってこない。
心が伴わないと、どんなにイベントがあっても感動にはならない。
ビデオグラファーにとって大事なのは、全てが整って、ただそのシーンを撮れば良いという状況を作ること。

そんなわけで失礼を承知で、ファミリーミートのシーンは出来るだけシンプルに、新郎の親御さん、新婦の親御さんと妹さんだけにしてみては?という提案をしました。
結果的にみんながイベントに集中していたし、シンプルに感動的なシーンになった。
本当にただ撮るだけで良かった。
そういうことの積み重ねが僕自身の仕事のクオリティに繋がっていく。
一個一個のシーンをビデオグラファーの目線で見ることで、変えるべきところは変えた方がみんな幸せになれるんじゃないかなと考えてます。

そんなわけで繁忙期はまだまだ続きます。
忙しさに負けずに、出来る挑戦しつづけていきたい。
また来週も水曜更新です!よろしくお願いします。

ウチキフィルム 打木 健司

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