10月6日。
緊急事態宣言が明けて、街並みも少しずつにぎわいを取り戻してきました。
結婚式でもお酒が出せるようになりました。
ワインとの組み合わせを考慮した本来のコース料理が味わえるというのは、何よりうれしいことなんじゃないかと思います。
(結婚式で一番お金を使う部分の一つだったりします笑)
もちろん心配の声もあることは理解します。
でも、予測できる今後のことは流石に政治や行政の仕事です。
なので僕自身は少しだけ無責任でいたいと思っています。
すみません。
ウェディング業界にとってはようやく年が明けたという感じですね。
本当、あけましておめでとうございます!
2021年がやってきました。
というわけで、今週末から結婚式の準備、具体的には会場見学にお出かけになるカップルも多いんじゃないかなと思います。
そんなわけで今回は「会場見学」について書いてみます。
【もくじ】
・「当日の新郎新婦」よりも「新規の会場見学」
・人で決める?
・会場見学で大事なこと
・会場見学のポイント
「当日の新郎新婦」よりも「新規の会場見学」
まず実体験から。
築地のレストランにお持ち込みいただき撮影をした時の話。
ご家族での挙式を事前に済ませて、ご披露宴のみのお2人の撮影でした。
2人のメイクシーンを撮って、ロケーションを撮って、受付までの極短い時間で無人のご披露宴会場の全景やお2人のご用意したアイテムを撮ろうとしました。
(受付が始まるとそのままご披露宴会場にゲストが入ります)
ところが会場からストップが掛かって、撮影を中断してバックヤードで待つように指示されました。
「新規が来ます」とのこと。
しばらくすると会場からスタッフの拍手が聞こえてきました。
それは『今まさに当日を迎える2人が準備をした・お金を払った会場装飾やアイテム』を『2人が用意したカメラマン』が撮る時間を奪って、
2人が一生懸命に用意した会場装飾を使って会場見学に来た新規のお客様を接客する時間でした。
その姿勢がその会場の全てを物語っていました。
会場見学にきた新規のカップルにとっては好印象ではあると思います。
でもそれは「そのカップル」に対する対応ではなく「新規客」に対する対応です。
「そのカップル」が成約済みになり、新郎新婦として当日を迎えた時は同じく「会場下見にきた新規客」の方を同じく優先するでしょう。
土日でそのような大げさな対応をしたり、本番のセッティングを終えた無人の披露宴会場を見せてくる会場は疑ってかかった方がベターです。
作業している人がいないというのは、それだけ忙しくない会場か、本来すべき当日を迎えた新郎新婦への献身に欠いた会場である可能性が高いです。
持ち込みに限らず提携の撮影会社で働いていた時も新規の見学の関係でバックヤードから出れないという状況は日常茶飯事でした。
ちなみに本当に大人気の会場=施行数の多い会場、例えば八芳園とか椿山荘とかはスタッフが普通に準備している時とかに下見のカップルが来たりします。
実はそんなものだったりします。
人で決める?
「人で決める」という言葉があります。
なんか綺麗な言葉ですよね。
会場を見学した時の接客してくれた人の印象で、会場を決めてしまう場合です。
まず多くの会場では下見を担当する新規接客担当プランナーと、実際に結婚式の準備を担当するプランナーは部署が違います。
新規接客は一般の会社でいう営業、あるいは新卒採用担当の人事の人たちです。
瞬間的な感じの良さに特化した人材がいて当然です。
ただその人はあくまで、会場見学に来たカップルが成約するまでが仕事の人たちです。
新規採用で大学を回る人が、実際に人材を育てるわけではないのと同様に、当日の施行が担えるわけではありません。
もちろん会場によっては新規接客と結婚式の準備を担当するプランナーが同一であることもあります。
ただし、結婚式場を決めるのは大体1年前。
実際の準備が始まってプランナーさんとがっつり連絡を取り合うのは結婚式の約4か月前。
1年がかりのプロジェクト。
当然ですが、スタッフにも人生があり、1年の間に転勤に転職、結婚や出産で担当を離れることも実際に多い。
必ずその人が担当してくれる保証は誰にもできません。
「人で決める」という場合にその「人」がいなくなった時にちゃんと価値があるか?
その人の「後ろ側にあるもの」も冷静に見極めることをおすすめします。
会場見学で大事なこと
会場を決める時に大事なことはなんでしょう?
実際に会場見学の時に何を見ればいいのでしょうか?
何を聞けばいいのでしょうか?
2つ大事なことがあります。
まず「自分たちのこと知っていること」ということです。
正解は誰かに教えてもらうものではなく常に2人の中にあります。
例えば何が好きか?2人の中で明確ですか?
言葉で説明できますか?
それがなんとなくではなく、明確に(言語化)しておくこと。
何かを選ぶときに自分たちの好みや嗜好が言語化できていると、何かを決める理由も断る理由もはっきりします。
どんな結婚式を挙げたいですか?
人生で大事にしていることはどんなことですか?
どんな時に楽しいと感じますか?
価値があると思ったことにどれくらいの金額を支払いますか?
お互いの家族はどんな人ですか?
2人で何かを決めていく上での価値観をお互いに知っていること。
そのことによって、一つ一つ決めていくことの連続の中で直感に翻弄されることなく論理的に物事を進めていくことが出来ます。
もうひとつ大事なことは結婚式やブライダル産業について、知識をもっておくことです。
営業トークに振り回されずに、冷静に物事を見るためには「普通」を知るということも大事だと思います。
知識としてはゼクシィやインスタみたいに広告やイメージ優先ものよりは下記サイトがおすすめです。
結婚トレンド調査(ブライダル総研)
平均予算とか、列席者の平均人数とか。
このデータを見ておくだけで、プランナーさんとかなり対等な視点で話せると思います。
まず自分を知り、相手を知る。
ちょっと仕事みたいですけど、それくらい結婚式において「会場」は大事な要素になってきます。
会場見学のポイント
・まず一度、見学してみる。
一番初めは冷やかしくらいの気持ちで行ってください。
ここで大事なのは決して契約しないこと。
その日決めたら貰える成約特典なんて、無視して大丈夫です。
(結局、成約後に全力で見積もりを引き上げようとしてきます)
結婚式とは?とか結婚式場とは?みたいなものを2人で話し合うベースをまず整えることが出来ます。
具体的にイメージ出来るとか、お互いの好みを知ることが出来るというのが、まずは大事だと思います。
出来れば2~3件くらい回ると、かなり客観的に観られるし、結婚式場に良い意味で慣れてくると思います。
結婚式に関わる人間の平均値や相性みたいなものも掴めるでしょうし、見積もりをもらえば相場感のようものも分かってくると思います。
・見学したものをベースに自分たちのことを考える
お互いの知識や感覚が整うと、ようやく結婚式について具体的に話し合うことが出来るんじゃないかと思います。
そこで結婚式でやりたいこと、優先順位、大切にするべきこと。
「お日柄って大事?」とか、イメージだけでなく、具体的に話せる。
ひょっとしたらそこに「本当に結婚式を挙げる必要があるか?」なんてことも出てくるかもしれません。
話す事で自分たちの基準が明確になる。
これでやっと会場見学をして、見るべきこと、聞くべきことが明確になると思います。
・プロが思うポイント
①SNSを見るならインスタだけでなく、X(エックス)もチェック。
自慢したい時はインスタを使う人が多いと思います。
検索しても基本いいねが多いものから出てくる。
物事の良い面が強く出てくるメディアです。
一方、X(エックス)を使う時はどんな時か?
誉め言葉も多いけど、悪口や不満を書く人も多い。
だからインスタでは出てこないような具体的なクレームも載ってる。
「お金持ち、普段すごい良い人だけど、お酒を飲むと人を殴るんだよね」みたいな人を結婚相手には選ばないと思います。
大事なことを決める時には、マイナスの情報も入れておいた方が良いのは、どんなことでも一緒です。
最近だと、やっぱりコロナに伴うキャンセル料の話とか。
一方的なものもあるけど、判断の要素になります。
②会場や待合室にある装飾用の鏡や装飾用のカーテンの汚れ
装飾用の鏡やカーテンをじっと見る人は少ないから、ルーティンとして掃除する箇所から外れていることがあります。
そのことからわかるのは、おそらく決まった仕事しかしない人たちが働いている、またはその決まった仕事のクオリティが低い。
と分析できるし、経験的にも当たっていると思っています。
ちなみにこういう式場もトイレはさすがに綺麗です。
他にも色々とありますので、機会を見つけて書いていきたいと思います。
とりあえず今回は以上とします。
このブログを読んだ人が出来るだけ、思い描く形の結婚式場を挙げられることを願っています。
そうして決めた会場が、もしビデオグラファーを持ち込める会場だったらぜひ、ウチキフィルムのホームページにまた来てください。
めっちゃ喜びます!
どうぞよろしくお願い致します。
ウチキフィルム
打木 健司
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