ウチキフィルム | ウェディングムービー・結婚式エンドロール撮影

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コロナと延期とビデオグラファー

コロナと延期とビデオグラファー

3月に入りました。
2月の中旬からありがたいことに新規のお問い合わせが続き、気温だけでなく気持ち的にも春を感じるような明るい気持ちになってきました。
コロナでオンラインでの打ち合わせが普通になったことで、スピード感を持って打ち合わせが出来ています。
問い合わせの次の日にもう話しているみたいな感じで、新しい出会いが嬉しい日々。
そんな日常ですが、今回はコロナ前にご成約いただき、2年ぶりにお話ししたお2人との打ち合わせた時に感じた時の話。

【もくじ】
・2020年の桜
・結婚式当日の撮影

2020年の桜

以前にお2人とお話をしたのは2020年の3月末の前撮りの時。
桜が満開の時期。
お2人の結婚式は2020年の5月の下旬に軽井沢で予定していた。
その時は映像にするような趣味はないからと、墨田川沿いの桜の綺麗な場所や、思い出の場所として教えてくれたスカイツリーのふもとの公園で撮影させていただきました。
当時はとにかくみんなが不安で、どうなってしまうのか?でも1~2ヶ月後は意外と普通なんじゃないかな?とも思ってた時期。
コロナ以前、2019年までの結婚式は台風直撃のさなかでも行われる「Wedding must go on」なほぼほぼ延期も中止もないイベントでした。
結婚式と台風

だから、業界の中にもちょっと油断もあったと思う。
でも、その後の流れはご存知の通り。
2020年の4月から8月くらいまでの婚礼スケジュールが丸まる飛んでいった。
お2人の結婚式も1年後に延期になりました。
スケジュールもご確認いただき、引き続き、ご依頼を頂けました。
2020年の5月は本当に何もすることがなくて、前撮りの映像を短くまとめて結婚式を予定していた日の前日に送りました。
それはそれで喜んでいただけたけど、その数日後にできるだけみんなが集まれる状態で結婚式を行いたいということで更に延期が決まり翌年の7月の予定に変更になった。
そうして2021年になり、コロナはむしろその影響を強めていきました。
1月から始まった緊急事態宣言がずっと続き、お2人の結婚式は更に翌年(2022年)の5月に延期になりました。
2021年の春には延期をされた方々の結婚式のほとんどが結び、形になって行く中で僕の家の仕事予定表のホワイトボードにずっと2人の名前が残り続けました。
秋に久しぶりにご連絡を来ました。それはキャンセルのご連絡でした。
結婚式自体の中止。
悔しかった。
前撮りをしてから、かなりの時間が流れてはいたけど、ずーっと名前を見続けた2人の結婚式。
撮りたかった。
無力だなと思った。
2人の結婚式を待ち焦がれていた。
それなのに出来ることは、とても事務的にキャンセル料に前撮りの料金を加えた請求書を送ることだけ。
キャンセルされたビデオグラファーにはそれしか出来なかった。
別にお金が振り込まれることなんか期待してない。
当然ながら、なかなかホワイトボードの2人の名前も消せなかった。

数日後、お2人から「やっぱり同じ日程で結婚式をすることにしました」という連絡が来ました。
引き続き担当してほしいというご依頼。
これはもう受けるしか選択肢はなかった。
それなら、もう一度前撮りさせてくださいとお願いしました。

2022年の打ち合わせ

そんなこんなで本題の先週末の打ち合わせ。
久しぶりの会話。
失礼かもしれませんが、なんだか2人がすごく大人になっていました。
2年の時を一緒に乗り越えた2人がそこにいて、僕ももちろん色々あったけど、当然同じ時間が流れていたんだなと感じた。
コロナ禍だからこその趣味も出来て、オンラインだけど、輪郭がよりはっきりしたように思えたし、意志の強さを感じた。
2人も変わったし、挙式する会場も変わってたし、僕自身もきっと変わっている。
そんな再会の時間。
僕が犬ならおしっこしてるくらい嬉しかったけど、そこは冷静にお話をさせていただきました。
コロナはなかったことにはならないから、それがあったからこその今の2人を描きたい。
2年前とはいい意味で違う、2人の今の想いを形にしたい。
作り手としてのそんな想いをお伝えさせていただきました。
以前の2人ならしり込みしてたかもしれない提案も受け入れてくれて、楽しいお話が出来た時間だった。
想いが凝縮しすぎると、打ち合わせは短く終わるもので30分でほとんどの要件が終わった。
もっと話したいくらいがちょうど良いんだと思う。
いつだって被写体のお2人には片想いみたいな気持ちでいたい。

次に会えるのは4月の前撮り。
いまから楽しみで仕方がない。
本当にコロナの話をするのはこれで最後にしたい。
どうか5月、無事に軽井沢で結べますように。
そしてその時に最高の仕事ができますように。
こういうのは普通、全部終わってから書くものだけど、あんまりにも自分にとって大事なことだったので記録として書きました。  
ビデオグラファーは2年の月日があったからこそ作れるMovieを届ける義務がある。
最高の仕事のために、最高の準備をしよう。

ウチキフィルム 打木健司